「会社に来た保険の人に、月2万円の保険をすすめられた」
「『みんな入ってるよ』と言われたけど、内容がよくわからない」
「日本語の契約書が読めないまま、サインしてしまった」
この記事は、そんな不安を持つ外国人のみなさんを守るために書きました。
結論から言います。日本で働くあなたに必要な保険は、実はとても少ないです。
なぜなら、あなたは給料から毎月「公的保険」の保険料をすでに払っていて、それで大きなリスクの大部分がカバーされているからです。
🖋️ 監修:組合の中川
🏷️ カテゴリ:お金・銀行・決済
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私たちは外国人材の受入支援をしている組合として、読者のみなさんに不要な保険を売ることはしません。この記事の目的はただひとつ、「あなたが損をしないこと」です。
まず知ってほしい:あなたはすでに「最強の保険」に入っている
日本で働いている人は、給料から自動的に保険料が引かれています。給与明細を見てください。「健康保険」「厚生年金」「雇用保険」と書いてあるはずです。
これらの公的保険がカバーしてくれる範囲は、こんなに広いです。
| すでに入っている保険 | 何をカバーする? |
|---|---|
| 健康保険(国民健康保険) | 病院代の70%を国が払ってくれる。あなたの負担は30%だけ |
| 高額療養費制度 | 大きな手術や入院でも、1ヶ月の自己負担は約6〜9万円が上限(収入による) |
| 労災保険 | 仕事中・通勤中のケガや病気は治療費ほぼ全額+休んだ間の給料の約8割 |
| 雇用保険 | 仕事を失ったとき、次の仕事が見つかるまでの生活費 |
| 年金(遺族年金・障害年金) | 万一亡くなったり大きな障害が残ったとき、家族やあなたにお金が出る |
特に大事なのが「高額療養費制度」です。「がんになったら何百万円もかかる」と言って保険をすすめる人がいますが、実際には健康保険に入っていれば、どんなに医療費がかかっても1ヶ月の自己負担には上限があります。
この制度を知らないまま、高い医療保険に入らされる外国人がとても多いのです。
検討する価値があるのは、この3つだけ
公的保険でカバーできない部分だけ、民間の保険で埋めます。必要なのは最大でこの3つです。
① 火災保険(家財保険)——アパートを借りている人
賃貸契約のときにほぼ必ず入る保険です。火事や水漏れで部屋や家財が壊れたときのためのもの。
- 目安:年間4,000円〜10,000円程度
- 注意:不動産屋さんが指定する保険が割高な場合があります。「自分で選んでもいいですか?」と聞くのはOKです
② 自転車保険(個人賠償責任保険)——自転車に乗る人
日本では多くの地域で自転車保険が義務になっています。自転車で人にケガをさせると、数千万円の賠償になることがあるからです。
- 目安:年間3,000円〜5,000円程度
- 節約のコツ:①の火災保険に「個人賠償責任特約」を付ければ、自転車保険を別に買わなくてもカバーできることが多いです。重複して入る必要はありません
③ 掛け捨ての死亡保険——母国に養っている家族がいる人だけ
あなたの仕送りで生活している家族(子ども・親など)が母国にいる場合だけ、検討する価値があります。あなたに万一のことがあったとき、家族の生活を守るためです。
- 選ぶのは「掛け捨て」タイプだけ。月1,000円〜3,000円程度から入れます
- 独身で、仕送りしている家族がいない人には、基本的に不要です
逆に、よく考えずに契約してはいけない保険
次のような特徴のある商品は、内容を100%理解できるまで、絶対にサインしないでください。
- 外貨建て保険:「ドルで増える」と説明されるが、為替や手数料の仕組みが複雑で、途中でやめると払ったお金より少なくなる(元本割れする)ことが多い
- 貯蓄型・終身保険:「貯金にもなる」と言われるが、保険料が高く、途中解約で大きく損をする設計が多い
- 高額な医療保険・がん保険:高額療養費制度の説明をせずに「病気になったら大変」と不安をあおって売られることがある
これらの商品自体が違法なわけではありません。ただ、日本語ネイティブでも仕組みを理解するのが難しい商品です。契約書を母国語で理解できないまま入るのは、あまりにも危険です。
危険な勧誘のサイン(1つでも当てはまったら、その場で契約しない)
- ✅ 「今日契約すれば特別」と、その場でサインを迫ってくる
- ✅ 「みんな入ってるよ」「入らないと大変なことになる」と不安をあおる
- ✅ 途中でやめたらいくら戻るか(解約返戻金)を説明しない
- ✅ 母国語の資料がない、通訳を用意してくれない
- ✅ 毎月の保険料が給料の5%を超えている
断り方フレーズ集(コピーして使ってください)
しつこい勧誘には、この言葉をそのまま使ってOKです。
- 「家族と相談してから決めます。今日は契約しません。」
- 「契約書を母国語で確認できるまで、サインしません。」
- 「公的保険で足りていると考えています。」
- 「組合(会社)の担当者に確認してから返事します。」
ポイントは、その場で決めないこと。本当に良い商品なら、1週間後でも同じ条件で入れます。「今日だけ」と言われたら、それは危険なサインです。
よくある質問
Q1. 会社の人や先輩にすすめられた保険は断りにくいです…
A. 「家族と相談します」は日本でも通用する丁寧な断り方です。それでもしつこい場合は、監理団体や登録支援機関の担当者に相談してください。断ったことで職場で不利益を受けるのは許されないことです。
Q2. 帰国するとき、保険はどうなりますか?
A. 民間保険は帰国前に解約手続きを。貯蓄型の場合、解約すると払った額より少ないお金しか戻らないことが多いです(これも掛け捨てをすすめる理由です)。
Q3. すでによくわからない保険に入ってしまいました。
A. まず契約書(保険証券)を確認し、毎月いくら払っているか把握しましょう。クーリング・オフ(契約から8日以内なら無条件で解約できる制度)が使える場合があります。期間を過ぎていても解約は可能ですが、戻る金額を確認してから判断を。ひとりで悩まず、消費生活センター(電話:188)や支援機関に相談してください。
Q4. 国民健康保険の保険料が高くて払えません。
A. 払わずに放置するのが一番危険です(在留資格の更新にも影響します)。市区役所の窓口で相談すれば、分割払いや減免の制度があります。
まとめ:お金を守る3つのルール
- 公的保険を知る。あなたはすでに強い保険に入っています
- 民間保険は最大3つまで。家財・自転車(賠償)・掛け捨て死亡保険(扶養家族がいる人だけ)
- その場で契約しない。「家族と相談します」で持ち帰る
保険は「不安」につけこまれやすい商品です。でも正しい知識があれば、あなたのお金はあなたと、母国の家族のために使えます。
📅 この記事の情報は2026年7月時点のものです。制度の詳細は市区役所・厚生労働省の公式情報をご確認ください。
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