「特定技能で外国人を採用したいが、結局いくらかかるのか分からない」
「支援機関から見積りを取ったが、この金額が適正なのか判断できない」
「安い機関と高い機関で3倍違う。何が違うのか」
この記事は、外国人材の受入れ支援を行う現場の人間が、費用の実態を包み隠さず解説するものです。
読み終わる頃には、「自社の場合はいくらかかるか」「その見積りが適正か」をご自身で判断できるようになります。
🖋️ 執筆:組合の中川(外国人材受入れ支援)
結論:費用は「初期」と「月額」に分けて考える
特定技能1号の外国人を1人受け入れる場合の費用構造は、大きく2つです。
| 区分 | 内容 | 相場 |
|---|---|---|
| 初期費用(1回だけ) | 在留資格の申請、人材紹介料、渡航・住居準備など | 数十万円規模(採用ルートで大きく変動) |
| 月額費用(毎月) | 登録支援機関への支援委託費 | 1人あたり月2〜3万円(業界平均28,386円※) |
※出入国在留管理庁の調査による平均値。月額15,000〜30,000円の価格帯に全体の約7割の機関が収まっています。
月額費用の中身:「支援委託費」で何をしてもらえるのか
特定技能1号の受入れ企業には、法律で定められた義務的支援(事前ガイダンス、生活オリエンテーション、月1回以上の定期面談、役所手続きの同行、日本語学習機会の提供、相談・苦情対応など)の実施義務があります。
自社で実施することも制度上は可能ですが、多言語対応スタッフの配置や体制整備が必要なため、実際にはほとんどの企業が登録支援機関に委託しています。その委託費が月額2〜3万円、というのが上の相場です。
知っておくべき重要な事実:この委託費には法律上の上限がありません。つまり、月5万円・6万円と請求する機関も合法的に存在できます。「高い=手厚い」とは限らないので、金額だけでなく支援内容の明細を必ず確認してください。
初期費用の内訳(ここが一番変動します)
- 在留資格の申請(行政書士報酬込みの目安):新規入国の認定申請で5〜15万円、国内転職の変更申請で5〜10万円、以後の更新申請は3〜8万円
- 人材紹介料:紹介会社経由の場合に発生。ルートによって大きく異なる
- 渡航費・住居初期費用:海外から呼ぶ場合の航空券、社宅・アパートの敷金礼金など
- 技能試験・日本語試験:受験料は5,000〜10,000円程度
費用を正当に抑える3つの方法(裏ワザではなく制度の話)
① 技能実習2号を修了した人材を採用する
技能実習2号修了者は、特定技能に必要な技能試験・日本語試験が免除されます。試験関連のコストと時間がゼロになり、しかも日本での実務経験が3年ある人材です。
② 特定技能2号への移行を見据える
2号に移行すると義務的支援が不要になり、月額の支援委託費そのものが消えます。長期雇用を前提とするなら、月2〜4万円×人数分のコスト削減です。
③ 申請代行込みの機関を選ぶ
登録支援機関が在留資格の申請サポートまで含めて対応する場合、行政書士費用が別途かからないことがあります。契約前に「申請代行は含まれるか」を確認するだけで数万円変わります。
危険な支援機関・監理団体の見分け方チェックリスト
私たちの業界の恥部も正直に書きます。次に当てはまる機関は避けてください。
- ❌ 費用の明細を出さない(「込み込みで月○万円」としか言わない)
- ❌ 外国人本人に費用を負担させようとする——支援にかかる費用を本人に直接・間接に負担させることは法令で認められていません
- ❌ 「みんなこの金額です」と相場の説明をせずに契約を急がせる
- ❌ 定期面談や生活支援の実施記録を見せられない
- ❌ 外国人本人の母国語で対応できるスタッフがいない
外国人材の定着率は、支援の質でほぼ決まります。安すぎる機関で失踪・早期離職が起きれば、採用コストは全額が損失になります。金額と支援内容のバランスで選んでください。
よくある質問
Q1. 結局、1人あたり年間いくら見ておけばいいですか?
A. 月額支援費だけで年間24〜36万円。初期費用を含めた1年目は、採用ルート次第でこれに数十万円が上乗せされるイメージです。2年目以降は月額費用が中心になります。
Q2. 技能実習と特定技能、どちらが安いですか?
A. 単純比較はできませんが、構造が違います。技能実習は監理団体への監理費、特定技能は登録支援機関への支援費が月額の中心です。自社の業種・人材戦略によって最適解が変わるので、両制度を扱う機関に相談するのが早道です。
Q3. 見積りだけ取ることはできますか?
A. できます。むしろ複数の機関から見積りを取り、明細を比較することを強くおすすめします。
私たちについて
おもてなしBIPは、外国人材の受入れ支援を行う現場の組織として、このLife Hack Japanで働く外国人向けの生活情報(銀行口座・保険・住まい)も多言語で発信しています。
受け入れた人材が日本で安心して暮らせること——それが定着率を上げ、結果として企業の採用コストを下げる一番の近道だと考えているからです。
特定技能・技能実習の受入れをご検討中の企業様へ:貴社の状況に合わせた費用の目安、受入れの流れについて、無料でご相談いただけます。
📅 本記事の相場情報は2026年8月時点の公開データに基づきます。制度・費用の詳細は出入国在留管理庁の最新情報をご確認ください。
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