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【現役監理団体が本音で解説】技能実習生の「失踪」を防ぐ方法|数字が示す原因と、企業が採用前からできる5つの対策

「ある朝、寮に行ったら実習生がいなくなっていた」
「真面目な子だったのに、なぜ失踪したのか分からない」
「失踪されると、うちの会社はどうなるのか」

技能実習生の失踪は、2023年に9,753人と過去最多を記録しました。国籍別ではベトナムが56%を占め、失踪動機の67%は「低賃金」です。

この記事では、支援の現場で失踪の「前兆」を数多く見てきた立場から、失踪は防げる——ただし採用前から始める必要があるという結論と、企業が実際にできる5つの対策を解説します。

🖋️ 執筆:組合の中川(外国人材受入れ支援)

目次

まず数字で見る:失踪はなぜ起きるのか

要因 データ
母国での借金 ベトナム人実習生は100万円以上の借金を抱えて来日するケースが多いと指摘されている
賃金・労務の問題 失踪動機の67%が「低賃金」。労基署調査では受入れ事業場の73.3%で法令違反(2022年)
孤立 母国語で相談できる相手がいないまま、不満が誰にも届かず失踪に至る

つまり失踪は「本人の性格」の問題ではなく、借金×賃金×孤立の掛け算で起きる構造的な現象です。掛け算なので、どれか1つをゼロに近づけるだけでリスクは大きく下がります。

出典:出入国在留管理庁「技能実習」関連公表情報(失踪者数等)。失踪者数は技能実習実施困難時届出書のうち行方不明を理由とするものの集計で、届出後に所在が把握された者も含まれます。

失踪されると企業に何が起きるか

  • 技能実習実施困難時届出の提出義務(外国人技能実習機構へ)
  • 失踪が続くと、監理団体・企業ともに受入れ人数枠の減少や受入れ停止のリスク
  • 採用にかけた初期費用(渡航費・講習費・住居準備など数十万円)が全額損失
  • 残った実習生の動揺と、連鎖失踪のリスク

企業ができる5つの対策

対策①:採用前に「借金の額」を確認する

最も効果が高く、最も見落とされている対策です。面接時に「来日のためにいくら払いましたか」を(監理団体を通じて)確認してください。借金が大きいほど、少しでも高い賃金を求めて失踪する動機が強くなります。提携する送出機関の手数料が適正かどうかは、監理団体に必ず確認してください。

対策②:賃金・残業の適正を徹底する

最低賃金割れ、残業代の未払い、不当な控除——これらは失踪の直接的な引き金であると同時に、法令違反です。「日本人と同じ計算で払っている」ことを、給与明細を母国語で説明できる形にしておくと、不信感の芽を摘めます。

対策③:生活の立ち上げを支援する(銀行・SIM・住まい)

来日直後の実習生がつまずくのは、仕事より生活です。銀行口座が作れない、スマホが契約できない、役所の手続きが分からない——この「困った」が積み重なると孤立が始まります。私たちがこのサイトで多言語の生活情報を発信しているのはそのためで、企業の担当者が母国語の記事を渡すだけでも、孤立感は大きく変わります。

対策④:母国語の相談ルートを複数持つ

「困ったら言ってね」は、言葉の壁の前では機能しません。監理団体の母国語スタッフ、社内の先輩実習生、外部の相談窓口——本人が選べる相談先を複数用意してください。相談先が会社だけだと、会社への不満は誰にも言えなくなります。

対策⑤:前兆を見逃さない

失踪の前には、たいてい兆候があります。急な欠勤の増加、寮での荷物整理、「知り合いがもっと稼いでいる」という発言、SNSでの求人グループへの参加。兆候に気づいた時点で監理団体と共有し、母国語で本人の話を聞く——この初動で止まるケースは少なくありません。

2027年以降:「逃げる」から「移る」へ

2027年4月の育成就労制度への移行で、一定条件のもとで本人の意思による転籍が可能になります。これは失踪問題の性質を根本から変えます。待遇に不満があれば、失踪ではなく合法的に他社へ移る時代になる。

裏返せば、定着率=待遇と支援の質がそのまま数字に出る時代です。今から「選ばれる受入れ企業」になる準備が、最大の失踪対策になります。

失踪防止チェックリスト

  • ☐ 採用前に本人負担額(借金)を確認している
  • ☐ 送出機関の手数料の適正を監理団体に確認した
  • ☐ 給与明細を母国語で説明できる
  • ☐ 銀行・SIM・住まいの立ち上げ支援がある
  • ☐ 母国語の相談先が2つ以上ある
  • ☐ 兆候を共有する監理団体との連絡体制がある

私たちについて

私たちは技能実習・特定技能の受入れ支援を行う事業協同組合です。失踪は「起きてから対応する」ものではなく、「採用前から設計する」ものだと考えています。受入れ体制の見直し、監理団体の乗り換えなど、お気軽にご相談ください。

👉 お問い合わせはこちら(無料相談)

📅 本記事の統計は出入国在留管理庁等の公表データ(2026年9月時点で確認)に基づきます。制度の詳細は最新の公式情報をご確認ください。

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